日本舞踊って、なぁに?

「日本舞踊」って何ですか?

日本の「舞踊」のはじまり

日本における「舞踊」のはじまりは、天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまった天照大御神様(アマテラスオオミカミ)になんとか出て来てもらおうと、天細女命尊(アメノウズメノミコト)が面白おかしく踊ったことなのだそうです。日本最古の歴史書「古事記」 に書かれています。

世界各国、「舞踊」というものは、もともと“祭事”や“儀式”などに用いられる事が多く、その国の文化を反映しています。独自の「舞踊」がない国はありません。日本の「舞踊」は時代とともに、多くの種類に派生していきました。

さて、江戸時代初期のこと。京都で「阿国(おくに)」という女性が、男装姿で派手に踊ってみせたのが「歌舞伎」のはじまりと言われています。これが、庶民の間で大変な人気となり、真似する女性が続出したそうです。

ですが、幕府は「風紀が乱れる」という理由で禁止します。「女性ではなく男性の歌舞伎なら良いですか?」と次に若い男性ばかりの「若衆歌舞伎(わかしゅうかぶき)」が流行ると、これも同じ理由で禁止します。「若くない男性の歌舞伎なら良いですか?」と次に若くなくゴツい男性ばかりの「野郎歌舞伎(やろうかぶき)」が流行ると、幕府は禁止しなかったそうです。こうして、歌舞伎は庶民に愛され現代に残っているのです。

日本舞踊はお金がかかるもの?

日本舞踊は敷居が高い!?お金がかかる!?

日本舞踊をはじめるのに必要な物は、稽古着の浴衣、下着、腰ひも、半幅帯、足袋、扇子です。 だいたい10,000〜20,000円で揃えることができます。週1〜2回の稽古は、30分〜1時間ほどです。月々のお月謝は、プールやピアノなど他の習い事に通うのと同じくらいでしょうか。

ではなぜ、敷居が高く、お金がかかると思われているのでしょうか?
それは、おそらく、舞台で発表会があり、お流儀とその芸名を名乗るからだと思います。

発表会について

発表会では、衣裳とかつらを借りて、お化粧をしてもらいます。舞台には大道具をかざり、照明があたります。小道具が必要な場合もあります。さらに、音響の方や演奏家の方を呼んだりもします。つまり、多くのプロのスタッフにお願いして発表会 が催されます。歌舞伎と同じように、華やかな舞台となるため 、費用がかかるのです。

若柳流とは

1895年に花柳芳松(のちに初代若柳壽童 1845 – 1917 )が創始し、花柳界を中心に発展した日本舞踊の流派です。120年以上もの歴史があります。

若柳流は独立・分派を経ていくつかに分かれています。若柳流宗家、正派若柳流、直派若柳流、等。花柳流と若柳流の踊りは似ていると言われますが、花柳流から枝分かれした流儀のためだと思います。踊りの特徴は、繊細さと全体の品位を大切しており古風な踊りだと言われています。

日本舞踊には沢山の流派がありますが、歌舞伎が元の流派は芝居っ気が強く、振りは少なめ 、 習い事として発展した流派は振りが多く、よく踊ると言われています。 それぞれの流派に特徴がありますが、本質的なものに変わりはなく、動きの基本は同じです。

私の所属する若柳流は、正派若柳流(正式名称=正派若柳流若柳会)です。現在は家元制ではなく理事制です。
現在会長は若柳宗樹師、理事長は若柳吉以師、事務局長は若柳彦三衛門師、事務所は東京池之端です。