日本舞踊のメリット

姿勢がよくなります

昔は「体の弱い子には日本舞踊を習わせよ」と言ったそうです。体が弱い子にもでき、続けることで体が丈夫になるからです。理にかなった姿勢と動きで足腰を使うため 、 健康に良いのでしょう。何歳になっても姿勢が良いのは、日本舞踊ならではの効果です。

礼儀作法が自然に身につきます

日本舞踊の稽古は、礼にはじまり、礼に終わります。普段と違った緊張感は、気持ちを引き締めてくれるものです。 また稽古場では、目上の方や他のお弟子さんとも多く接するため、人への気遣いや配慮の仕方など、基本的な礼儀作法を身につけることができます。

着物が似合うようになります

稽古中は、いつも着物を身につけておりますため、自然と動作や着こなしが美しくなります。自分で着ることができたり、きちんとたたんだりすることができるようになるのはもちろん 、稽古着(浴衣)以外の着物や帯についての知識なども学ぶことができます。

感性が豊かになります

長い時間をかけて育まれてきた習い事だからこそ、そこには多くの人の知恵や発想、感性が詰まっています。 熟成された文化は奥が深いものです。 だから、日本舞踊はいくつになっても楽しめるのです。時空を超えた芸術は、現代人の感性をより一層豊かにしてくれます。

和の心がわかるようになります

日本舞踊には日本文化の様々な要素が含まれています。服装、音楽、美意識、言葉など…。
たとえば、着物は季節ごとに、布や仕立て方が異なり、T P O に合わせた着こなしがあります。小物の組み合わせも多彩で、四季を必ず取り入れたお洒落は、見る人の目も楽しませてくれるものです。
日本古来の楽器である三味線、太鼓、鼓などで演奏された曲には、長唄、清元、常磐津、義太夫などのジャンルがあり、現代音楽とは異なる音とリズムに、七五調の歌が加わります。言葉づかいや発声の仕方、発音などが現代語と違いますので、聴き取りづらかったり、意味が分かりづらいかもしれません。 けれど、忘れていた美しい言葉や、洒落、粋がたくさん潜んでいます。
そして、日本には独自の色があります。歌舞伎の舞台を拝見してもわかるように、配色や組み合わせが大胆で、目が覚めるようです。その逆で、日本画は淡い色と優しい線が素朴で上品です。水墨画などは、色がなくとも墨の濃淡だけで見る人の創造力を膨らませてくれます。
“和の心”とは、物、人、自然に対する思いやり、敬意、感謝の心ではないかと思います。